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2010.09.17

「株屋」を英語でなんというか

証券会社のことを株屋といいます。そこで働く人も株屋と呼ばれます。英語では、証券会社は一般的にはbrokerage houseまたは、単にbrokerです。あの「悪徳金融ブローカー」と同じブローカーですね。またsecurities houseといういい方もあるようです。companyやfirmよりも、houseという呼び方が好まれるようです。なお、狭い意味では、株の営業マンのことをbrokerと呼びます。「彼は私のブローカー」とは、「彼は私の担当営業マン」という意味です。

なお、証券の発行市場をprimary market、流通市場をsecondary marketと呼びます。プライマリーを業務の中心にしている株屋は、アメリカではinvestment bankと呼ばれます。同じことをロンドンではmerchant bankと表現しますが、近年はグローバル化によってロンドンでもinvestment bankという呼び名が浸透してきましたし、東京でも投資銀行と言われたりします。なおマーチャントバンクを商業銀行と訳してはいけません。商業銀行はclearing bank(決済銀行)またはcommercial bankと言います。一人のトレーダーの暴走により倒産したBaring Brothers は「女王陛下の銀行」と訳されていましたが、この「her majesty's merchant bank」は「女王陛下の株屋」の誤訳であることは言うまでもありません。

日本語では「証券」と「銀行」はまったく異なるものです。証券会社はヤクザの世界で、かつては大卒の職場ではありませんでした。「株屋には娘はやら ん」と言われたものです。かたや銀行マンはお堅いエリートの職場、特にかつての長信銀(興銀など)や大手都銀はそうで、給料も破格でした。

しかし、英語の世界ではcommercial bank も investment bankもbank、つまり「銀行」です。そして、株屋はエリートの世界。銀行マンは、英語ではbank clerkとかtellerと呼ばれ、立場は日本とは逆転します。欧米のtellerの給料はとても安いのです。

欧州では銀行と証券会社という区分けはありません。金融の中心地フランクフルトでもチューリッヒでも銀行で株を買うのです。universal bankと呼ばれる形態です。ちなみに「欧州」とは通常大陸を指し、英国を含みません。金融産業の発展の歴史が異なるため、そうなったんです。なお、ドイツでは直接金融が未熟で、証券業界は日本より遅れています。

企業金融、M&Aを行う人は米系証券ではinvestment banker、それを略してIB、さらに単にbankerとも呼ばれます。bankerを銀行マンと訳してはいけません。なお、辞書にはbankerの訳 として「博打の胴元」と載っています。これは「株屋」の婉曲表現であると思われます(笑)。なお、欧州系証券では、M&Aの部署は、CFDと呼ば れます。Corporate Finance Departmentのことです。株屋と話していて「IB」という言い方をする人は米系、CFDという言い方をする人は欧州系に勤めています。

M&Aのことをマスコミなど一般の人々は「エムアンドエー」と呼びます。しかしM&Aを仕掛けているバンカーたちプロフェッショナルは、「エムエー」と言います。「エムアンドエー」というと「しろうと」であることがバレてしまいます。

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(2000年11月25日記)

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