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2010.09.17

外資系証券・投信で必要な英語力

日系証券で実績を上げてきた株屋さんは、毎月エグゼキュティブ・サーチの外人コンサルタントからの電話攻撃にさらされます。いわゆるヘッドハンティ ングです。80年代後半の外資証券業界の創生期には、英語だけ出来るけど、証券の経験がない人たちが外資系で跋扈していました。そして今は日系で実績を積 み上げてきた英語のできないおじさんたちが、大量に外資系へ流れてきています。彼らはどうやって生きているのでしょうか?

実は、「外資系証券、外資系投信」といっても、要求される英語力は、会社によって、ポジションによって、そして職務によって千差万別で、十把一絡げにはできません。

必要な英語力は、一般的に言って、英系>欧州系>米系です。また職位ではもちろん上級管理職>下働きです。バイサイドとセルサイドの順では、バイサ イド>セルサイドです。バイサイドは組織が一般に小さいので、本国との連絡はセルサイドより密になります。アナリスト・ファンドマネージャーの場合、バイ サイドは守備範囲が広いので、幅広い議論を英語でこなせなければなりません。

職務では、セルサイドでは、バンカー>アナリスト>ブローカーです。ブローカー(営業マン)は日本人顧客を担当しているかぎり、英語力は不要です。 バンカーはMAディールによっては海外拠点との共同プレーになったり、引受けた株を海外で販売するため、相応の英語力が必要です。

セルサイドのアナリストは、毎日毎日英語でのミーティングが頻繁にあるため、かなりの英語力が必要な印象があります。しかし、実際は自分の守備範囲 で自分の意見を言うだけなので、入り組んだ議論に至るケースは少ないんです。つまり、ミーティングの席では英語で自分の意見を発言して終わりです。

日本の会社では信じられない光景ですが、外資系証券のミーティングでは、アナリストは自分の意見を発言し、質問に答えたあとは、ミーティング途上で 退出してしまいます。意見を発言することが、「ミーティングに参加した」と見なされます。最初から最後まで着席し、なにも発言しない日本人アナリストは、 普通クビになります。

英語力の不十分な日本人アナリストでも、へたな英語で発言し、そして外人ブローカー(あるいは客先でのファンドマネージャー)は、それを聞いてくれ ます。これは言い回しの稚拙さを超えて、内容が濃いからなんです。何を売って、何を買うか、その背景は何か、、、大切なことはしゃべる内容であり、英語力 ではありません。

英語が出来ない外人コンプレックス丸出しのおじさんは、ひそかに英会話学校にいって英語を勉強します。電車のなかでも英会話教材を開いています。涙ぐましい努力です。でもそれは、現場では役に立たないんですよね。

日本の企業では英語検定としてTOEICの導入が活発です。日本人の英語コンプレックスを見抜き、このビジネスモデルを考えたアメリカ人はたいしたものです。

以前、TOEIC高得点の女性候補者が英系マーチャントバンクの東京オフィスで英国人の調査部長と面接しました。もちろん英語での面談です(普通、 英国人の管理職は日本語を勉強しません)。彼女は得々として、自分はTOEIC900ポイントだ、と話したそうです。その調査部長はきょとんとして返した 言葉は、"What's TOEIC?" (とーいっくって、何や?)

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(2000年11月30日記)

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