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2010.09.17

外資系の陰謀

最近、ある株式投資関連のメルマガにこのようなことが書かれていました。

「外資系証券の一部からはソフトバンクに40万円のターゲットプライスを投げかけた。投資判断は「ストロングバイ」。これを見た投資家が買い姿勢を強めるなかで、当の外資系証券は売り手口に名を連ねる。」

これは、1999年末のインターネットバルブ相場を描いたものなんですが、これを読んで、どういう印象を持ちますか? これじゃまるで、「外資系証 券はアナリストにレポートで「買い」推奨させて買いをあおり、株価が十分上がったところで、売り抜ける汚い奴ら」って感じですよね。まるで外資系証券が組 織的に仕組んでバブル相場を演出し、大儲けしたみたいじゃないですか?

このHPの趣旨は、「真実を暴く辛口コメント」であり、通常は一般市民の肩を持つんですが、今回ばかりは黙っているわけにいきません。これじゃ、「ユダヤの陰謀」か「ロスチャイルドの陰謀」か「ロックフェラーの陰謀」みたいになってしまいます。

外資系証券って、実はここまでの芸はありません。というか、組織だってこんなことをするのは、すごく苦手。バンカーは比較的チームプレイで動きますが、ブローカーやトレーダーやアナリストはチームプレイヤーではありません。

外資系証券って、人材の流動性が非常に高い社会です。だいたい3年でほとんど入れ替わります。みんな自分についた客といっしょに、他社へ渡り鳥のよ うに移動していきます。なぜそんなことが可能か、というと自分のお金を稼ぐ能力が会社に依存していなくて、個人の能力に付いているからなんですね。だから インフラさえあれば、どこの会社でも仕事ができてしまいます。

仮に会社が「アナリストに買いレポートを書かせて、自らは売りに回ろう」と考えても、実際のトレーダーやブローカー、アナリストたち戦闘員はそんな 命令を聞くとは限りません。一般に「外資はトップダウンの命令体系」みたいに言われてますが、こと株屋に限っては、全然違います。みんな自分個人の計算 で、なにをするか決めます。自分ひとりがもっとも潤う方法を考え、その様に動く、ということです。みんな個人個人の利益が最大化することが、組織としても 利潤が最大となる、というロジックです。自分ひとりが犠牲になって、組織の利益を最大にする、ということはあり得ません。

会社、上司の命令に背くとどうなるか、、、当の本人たちは、自分のマーケットバリューを分かってますから、マーケットバリューが高いプロフェッショ ナルたちは、今の職場環境が嫌なら、他社に行けばいいと思ってます。どこでもすぐに声がかかりますからね。つまり、会社としては、稼ぎ頭の「戦闘員その 1」がいくらわがままでも、会社にオンナを連れ込んでも、命令を無視しても、無断欠勤しても、ぜーんぜんOK。ただ稼いでくれればいいんです。

では外資系の戦闘員たちは何を一番嫌うか、、、聡明な読者だったらそれはわかりますね? それは、市場の信頼を失うこと、客からの信頼を失うことです。市場の信頼を失ったら、もう株屋の世界では生きて行けません。

日本の会社は組織ぐるみで反社会的な行動に走ることがあります。手錠を掛けられたおじさんたちは、「会社のためにした」なんて、言い訳になると思ってんでしょうかね? 結局犯罪者の烙印を押された社畜のおじさんたちの行くところは、高い塀の向こう側。片道切符です。

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(2000年12月6日記)

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