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2010.09.17

Frequently Asked Questions 2nd 質問集 転職編


今の日系の会社の体質がいやになりました。どうすれば外資系証券のアナリストになれるでしょうか。

外資系証券のアナリストは、「自ら進んでなるもの」ではありません。日系証券でそれなりの仕事をしていれば、いやでも声がかかり、アークヒルズクラ ブで豪勢なランチを何度も食わされ、熟考する隙を与えられる間もなくオファーレターにサインさせられてしまいます。そして夢から覚めた後、外資系証券での 厳しい現実が待っています。


外資系証券のアナリストです。3年経ったので、そろそろ会社を変わろうと思っているんですが、どうでしょうか。

本当に会社を変わる理由があるのでしょうか。もし、現状でいくつかの不満な点があり、オファーがあった他社ではそれが解消されるように見えるなら、 要注意です。多分、会社を変わると、確かに前の不満は解消されるんですが、前の会社では全然問題じゃなく、思いもつかなかった問題が噴出してくること請け 合いです。すべてが満たされるパーフェクトな会社はありません。


日系と外資系の違いは何ですか。

会社にコミットするのが日系、職業にコミットするのが外資系です。だから日系では所属会社は変わらずに、3年くらいで営業に配属になったりリサーチ に異動になったり、「職業」が変わります。外資系では職業が変わらず、3年ごとに所属会社が変わって行きます。最近は日本の金融機関も、プロフェッショナ ルの育成のために専門職制度を採用しているので、両者の違いは小さくなりつつあるようです。


米系、英系、欧州系、いろいろありますが、違いはありますか。

「外資系」とか「アングロサクソン」とかいう言葉でくくれないほど、外国証券会社は千差万別です。業界でプレステージが高い会社があなたにとって働 きやすいとは限りません。欧州系でも、ドイツとフランスではまったく違いますし、同じアングロサクソンでも米系と英系ではカルチャーはまったく異なってい ます。私の友人に米系のS証券からG証券へ移った外人がいました。彼は、よりプレステージの高いG証券へ移ったつもりだったんですが、「やっぱS証券の方 がずっと仕事がしやすかったね」っていっていました。


あなたの値段はいくらですか、と聞かれました。なんて答えたらいいでしょうか。

あまり乗り気じゃない会社から声がかかったら、現在の収入の3倍の額を吹っかけましょう。興味があるなら、「状況次第ですが、、、」と下手に出ます。現状の5割増を吹っかけて3割増しで落ち着くくらいが適当ではないでしょうか。


入社試験はあるのでしょうか。分数の計算ができません。大学のときの成績証明書を取り寄せる必要がありますか。オールCなんですけど。

転職では面接のみです。そこでいかに自分がすばらしいパフォーマンスを残してきたかをプレゼンテーションします。いったん社会に出てしまってから自分を守るものは、学歴や資格ではなく、それまでの「実績」のみですから。


外資系証券は転職率が高いと聞きました。平均何年くらいいられますか。

フロントで10年以上ひとつの会社にいる人もいる一方で、数ヶ月で他社に転職する人もいます。平均的には3年で1回転と考えて間違いありません。日本の会社でも2、3年で部署の異動があります。それと同じ感覚です。


外資系を転々としている人が知り合いにいます。何回くらい転職できるもんですか。

実力と実績さえあれば、10回でも20回でも転職は可能です。逆にどこからもお声がかからなくなったときが年貢の納め時、と諦めましょう。その場合 は、ヘッドハンターになって元同僚を転売する、事業会社のIR担当としてサラリーマン人生に逆戻り、ベンチャー企業を興して厳しい現実を直視する、稼いで いる同僚のヒモ(愛人)となり愛欲生活をおくる、業界の裏ネタを扱ったHPをアップし、それをフジテレビに売り込みドラマ化して一儲けする、、、など、い ろいろな人生展開が考えられます。


今、外資系証券に勤めています。将来、運用会社でファンドマネージャーをやりたいんですが。

ファンドマネージャーは、回転率が低いため、簡単にはなれません。しかし、バイサイドアナリストには簡単になれます。有能なアナリストなら引く手あ またです。もちろん不動産担当とか鉄鋼専門アナリストではバイサイドでの仕事はありません。社内組織が運用部と調査部に分かれていない運用会社であれば、 アナリスト・イコール・ファンドマネージャーです。そういう組織を選べば、自分の得意セクターの運用をすることができます。


大学を出たあと日系証券で個人営業を3年やっています。でもどうしても外資系で荒稼ぎしたいんです。

ML(めりる)やMS(もるすた)が日本でもリテールビジネスを手がけています。でもホールセールに行きたいのであれば、すぐには難しいかもしれま せん。所属証券で、ホールセール部門への異動を申請してみることが第一でしょう。ほかの選択肢は、米国のトップBスクールでMBAを取ってくることです。 でも、投資に見合った仕事があるかどうかは保証できかねますが。


現在、外資系運用会社でファンドマネージャーをやっています。外資系証券のアナリストになれますか。

はっきり言って、バイサイドからセルサイドへの転職は、簡単ではありません。第一に、証券会社は顧客である運用会社から人を抜くことはタブーです。 その証券会社は、その運用会社の口座を失うネガティブファクターと、その人材がもたらすであろう収益のポジティブファクターを考えて結論を出します。つま り、あなたが大手生保や大手信託銀行のファンドマネージャーなら、外資系証券への転職は非常に困難であると言わざるを得ません。これを避けるために、数ヶ 月プーをしてから外資系証券へ移る、という手もあります。第二に、バイサイドはぬるま湯カルチャーなので、激職であるセルサイドへの転職はカルチャー ショックを起こす危険性が高くなります。セルサイドからすればのんびりしたバイサイドの人間は、「使い物にならない」のです。もちろん、バイサイドからセ ルサイドへ移って、極めて優秀なパフォーマンスを残している人もたくさんいますので、はじめから諦めてしまう人は「この業界に向いていない」と言えるかも しれませんが。


外資系証券と外資系運用会社とどっちが給料高いですか。

プロフェッショナルの収入はピンキリなので、なんとも言えません。しかし、一般的にはファンドマネージャーは薄給でせいぜい2000万円、証券会社 のフロント業務は高給で、米系セールスマンで1億円のボーナスも可能です。バックオフィス業務でも同様で、外資系投信会社のリサーチアシスタントで 4~500万円、米系証券のリサーチアシスタントで1000万円出している会社もあります。


どうしてセルサイドアナリストはファンドマネージャーに憧れるんでしょうか。

不思議なことですが、高給取りのセルサイドアナリストが、薄給のファンドマネージャーに憧れることは経済原則に反する行為です。しかし、売れなかっ たアナリストや、かつて鳴らしたけど落ちぶれたアナリストが、「ちやほやされる側に回りたい」と考えるのも理解できます。また、高給取りになれなかったセ ルサイドアナリストが、ファンドマネージャーになって、高給取りのセルサイドの人間をいじめる快楽を味わいたい、というサディスティックな趣味の人もいま す。やはりマゾヒスティックな変態でなければセルサイドアナリストを続けるのは難しいのかもしれません。


今、働いている会社は買収のうわさが絶えず、落ち着いて働くことができません。もっと安定した他社に移ったほうがいいでしょうか。

確かに外資系証券は撤退や買収のうわさが絶えず、組織は安定していません。しかし、それは業界がそのような環境にあるためで、「もっと安定した会 社」なんて存在しません。安定していたように見えた会社が他社を買収し、組織がめちゃくちゃになるケースも多いのです。一番安定して働くコツは、自分の実 績を残し、マーケットで名前を売ることです。


日系証券でアナリストをしています。外資でやっていくにはどの程度の英語力が必要ですか。

外資系でいいポジションを得るためには、かなりの英語力が必要です。しかし、それは英会話学校に通ったり、TOEICで高得点を取ったりしてもあま り意味がありません。必要なのは「自分の専門領域で英語を使い、金儲けができる能力」であり、そのためには、自分の専門分野で(日本語で)いい仕事をして いることが大前提です。それがわからないと、英語力を「あなたはTOEIC何点?」というものさしでしか計れない愚を犯すことになります。たいていの日本 の会社(と、そこで働く日本人)はそういう計り方をしているようです。これは、「公的資格」を奨励する日本の組織と同じメンタリティーです。


事業会社で経営企画の仕事をしていますが、最近ヘッドハンターから外資系証券のアナリストにならないか、と誘われています。

最近のアナリストの草刈場は、事業会社の経営企画部門やマーケティング部門です。つまり、「その産業を内部から熟知している」、「バカ高い給料を要 求するアナリストより安上がり」という二つの強みがあります。当事者としては、「包丁一本で、生き馬の目を抜く証券界を渡って行く覚悟ができているか」、 「マーケットの世界は、かなりストレスフルで、固定金利の銀行屋的メンタリティーではやって行けない」、「オンナ(オトコ)よりもカネを愛せるか」、を自 問してください。ともかくも、「産業アナリスト」と「証券アナリスト」は似て非なる職業です。その産業界出身者は重宝されますが、「株屋」へメンタリ ティーも含めて転身できなくては、やがて使い捨てにされるだけでしょう。


ヘッドハンターはどのようにして候補者を見つけるのですか。

ヘッドハンターから頻繁に電話がかかってくる人と、まったくお座敷がかからない人がいます。突然、見ず知らずの女性から「○○さんいらっしゃいます か」と電話がかかり、本人が出たことを確認したあと、外人(日本人のこともある)に代わったら、ほぼ100%ヘッドハンターです。彼らの人探しは、ほとん どが人からの紹介です。つまり、業界内のあなたの友人知人が、こっそりあなたの名前をあげ、「あの人は優秀だよ」とヘッドハンターに紹介することになりま す。ちなみに紹介料は一銭ももらえません。また、特定のスキルを持っている人に声がかかりやすいことは言うまでもありません。


現在、ある外資系証券と転職のことで話し合いを進めています。年収の話が全然出ないんで、不安になってきました。

普通、年収の話は一番最後です。巷に言われるように、「いくらいくらで○○に移らないか」というような話はほとんどありません。お金で釣られる人間 に、ろくなのがいないことぐらい外人も承知です。何回も面接を繰り返して、最後に本人がその気になってから「いくらいくらでどうか?」と、パッケージ(報 酬スキーム)を提示されます。可能なら2~3社と平行して話し合いを進め、値段を吊り上げましょう。「実は他社からも話があり、御社よりも高いパッケージ で、ぜひ来てくれと言われているんですが、、、」 もちろんデタラメであってもかまいません。どうせ、バレはしません。なお、「現在の収入を教えてくださ い」と聞かれたら、本当のことを言った方がいいでしょう。入社のときに源泉徴収票の提出を求められるので、ウソはバレてしまいます。


外資系証券のアナリストは、ヘトヘト證券よりもきついと聞きました。本当ですか。

ヘトヘト證券もリサーチは外資系に勝るとも劣らず激職です。なんせバイサイドのファンドマネージャーのもとに、その日の朝8時過ぎにはコメントが ファックスで届くくらいですから、朝何時から仕事をしているかは想像に堅くありません。外資系で楽をしたければ、欧州系証券を選びましょう。しかし、客の 大半が外人の会社もありますから、相当の英語力がないと、やっていかれません。


長年、外資系証券でアナリストをしてきました。もう疲れたんで、楽したいと思います。この歳でアナリストはしんどいんです。何をしたらいいでしょうか。

1)銀座で金融界の人間を相手にしたバーを開き、接待に使ってもらう、2)大手町に金融マン向けの風俗店を開く、3)新興宗教の教祖になる、4)外 資系証券へ入社するための就職転職セミナーを企画運営する会社を作る、、、儲かりそうな商売はこんなところでしょうか? 「自己資金を株式市場で運用しよ う」、なんてバカなことは考えないでくださいね。


外資系証券はホモが多いと聞いています。本当ですか。

外資系証券で「ホモ」とか「ゲイ」とか「おかま」と言う言葉を口にすることは、絶対タブーです。彼らにも人間としての基本的人権があります。身の回 りの30半ばの独身男性は、かなりの確率で、特別な趣味嗜好を持っていると考えて間違いありません。上司や同僚がそういう人だったら? 別に普通の人間で すよ。すぐに慣れますから心配は無用です。


証券アナリストをしているんですが、ベンチャーキャピタルから誘われています。ハンズオン型VCの仕事っていろいろやれて面白そうですが、実態はどうなんでしょうか。

VCは金にならず、儲からず、給料は安い、と三拍子そろっています。日本ではまともなベンチャーがほとんどいなくて、さらにベンチャー事業を醸成す る土壌もありません。VCをやりたい人は、シリコンバレーに引っ越してください。なお外資系PE投資会社は「ハゲタカ」と揶揄されることもありますが、今 後の日本の再生に必要で、有望です。


証券アナリストの次のキャリアとして、インベストメントバンカーはどうでしょうか。

最近はアナリストがバンカーになるケースが増えてきたようです。これは産業の土地鑑のある人材がIBDでも必要なためです。もちろん成長産業のアナ リストでなければ、そんな需要もありません。インベストメントバンキング業務では膨大なドキュメンテーション作業があり、それをこなす専属の奴隷(人間以 下なので「犬」と呼ばれることもあります。社内呼称は「アナリスト」です)身分を経験しなくてすむというメリットもあります。もっともIBDのアナリスト も、リサーチのジュニアスタッフも似たり寄ったりかもしれませんけどね。


外資系運用会社の回転率はどんな感じですか。

同じ外資系でも、運用会社の離職率は、証券会社とは比較できないほど低いです。これは年金の運用担当者は簡単には会社を変われないことと、人材の回 転率が低いため、容易に他社に席が空かないことが、その理由です。またバイサイドの人は「農耕民族カルチャー」で、長期に渡りひとつの土地に定住すること を好むようです。獲物を追いかけ、会社を転々とする「狩猟民族」が迷い込むとロクなことはありません。


ドクターKeiさん、あなたのHPのことを「キャリアアップできないまま外資を転々として、最後はクビになってヒマにまかせて、こんなくだらないHP作って喜んでいるだけだ」って酷評してる人がいますよ。本当に外資を転々として最後はクビになっちゃったんですか。

ドキッ、す、するどいですねー。私は外資系を転々として、最後はクビになってヒマにまかせてこんなくだらないHP作ってます、ハイ。し、しかし今年 の宮下公園は寒いですねー。テント生活がこたえます。ダンヒルのダークブルーのピンストライプ・スーツにエルメスのネクタイをして、ブルーのシャツ、サス ペンダー、ロレックス、ティファニーのカフリンクス、金縁の眼鏡をかけて、髪はオールバック、そんな格好で公園通りの路上でたこ焼き焼いてるお兄ちゃんが 私です。おつりの計算はHP12C使ってます(それしか使えないもんで)。私の二の舞にならないように、しっかり仕事してキャリアアップしてくださいね。 ではグッドラックを!

 

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(2001年2月25日記)

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